あなたは、内向感覚タイプです 【Ⅱ－④】
あなたは人におとなしい印象を与えます。また反応が遅いので、ニブイと思われがちです。
でも、あなたは現実の印象をゆっくりと自分の中に取り込んでいるのです。
つまり現実を自分のイメージで味つけしているのです。
そのために、現実とのギャップが生じますが、時には自分のイメージで独創的な世界を創り上げることもあります。
内向的な人というのは、どういうタイプであっても外からはわかりにくいものですが、
この内向感覚タイプもやはり外からは見えにくいのです。
この内向感覚タイプの人は外向感覚タイプと同様に、とても観察力はすぐれているのですが、その内容をそのまま
頭に刻み込むというよりも、ゆっくりと呼吸していきます。そしてその内容を自分なりのものにしてしまいます。
たとえば、ある人間を見て、その人の髪の形から顔の表情、着ているもの、歩き方まで呼吸するように
のみこむのですが、その呼吸された内容は相手の現実から離れてしまって、外形は残っているものの、
観察している本人の主観的な印象が加わってしまうのです。ですから、時には相手の現実の外見と
すっかり違うものになったりします。その結果、自分自身も現実のイメージと、自分が作り上げた
イメージとの区別がつかなくなって現実がわからなくなってしまうということもあります。
外の世界の印象をゆっくりと自分のものにするまで、このタイプの人は何事をするにもとても
ゆっくりとした感じを人に与えます。そのため、時には反応が鈍いと思われたりするのです。
たとえば、気のきいた冗談を聞いても、その場ですぐに反応して笑わないといったタイプです。
性格描写や情景描写がすぐれている作家や芸術家などは、このタイプが多いのです。
しかし、一般には、このタイプの人は一見すると何を考えているのかわからないし、
自分から積極的に周りの印象や感じを語ることもないので、誤解されやすいのです。
「ユング」によると、このタイプの人は他人の攻撃や支配欲の犠牲になりやすいと言われております。
そういった人からの攻撃を普段は我慢しているのですが、その限界を超えると、
とんでもないところで反抗心や頑固さを発揮してしまうことにもなります。
このタイプの人で、芸術的な表現能力がある場合には、その観察力と独創的な描写で
素晴らしい傑作を作り上げるといったこともあります。
しかし、自分だけの主観的な感覚の世界に住むことになり、周囲の現実からますます離れて
いくことになりやすいのです。つまり自分のイメージにこだわるタイプなのです。
感覚タイプの人の弱点は直感ですが、とくに内向感覚タイプの弱点は外向直感です。
直感機能としては、総合的な判断力がありますが、この内向感覚タイプの人は、総合的な
判断が苦手といえます。ですから、直感によって、自分の現実的な将来を見通すことが
できないのです。しかも、実際の生活の上では方向音痴である場合が多いようです。
つまり現実に関しての鼻がきかないのです。内向感覚がうまく生かされると、素晴らしい
ファンタジーの世界を作り上げるような作家や芸術家が生まれます。
